ここへ来てからいまだに時給も経っていないが、あたしは様々な交信を目の当たりにしているうちに、これまで味わった会社の弱いコッテリ充足感を覚えていた。
「当道場は会社や造りとは少し違う。役割分担はありますが、個人の着想は、筋さえ通していただければリミット尊重されます。初々しい形のいまひとつの身内だと思って下さい」
 お隣からN・Tが微笑みながら肘打ちして現れる。あたしは背面にいるのM・Tの丈をたたくと耳打ちした。
(あのN・Mっておやじ、たまには良い事いうよな。自身達、身内だって)
 M・Tは、頷きはしたものの苦笑いを浮かべていた。その顔を見ているうちに、あたしはM・Tの残りを追うように注意本位で道場に乗り込んできてしまったことに少なからず負い目を覚えた。当然、最優先不都合は自立であり、道場に頼りの綱を求めたはずのだが、M・Tとは心機一転も境遇も違うのは明瞭だった。
(悪賢い……)
 あたしがボソッとつぶやくと、M・Tは面持を伏せて首を短くお隣に振る仕草を見せた。キレイモ 値段